はじめに
前の記事を書くために、事前にインストールしておいたWP-QuickLaTeXの機能を利用したのですが、メモしておくと後で役に立ちそうなことが出てきたので、この記事にまとめておくことにしました。
数式のスマホ表示対応
数式は横に長くなりがちですが、スマホの方に縦の幅が小さい画面上に数式を表示しようとすると、画面からはみ出した分についてはWP-QuickLaTeXが提供しているCSSファイルの設定が以下のようになっていることが原因で、表示することができません。
そこで、quicklatex-format.cssを以下のように修正し、上記の設定が行われている部分をすべて変更します。
これにより、数式を横スクロールさせることが以下のような感じで可能になります。
上の動画を見ていただくとおわかりいただけるかとおもいますが、式番号まで動いてしまいますね。( ;´・ω・`)
式番号を移動させないようにする方法については別途考える必要があるのかもしれませんが、ここで力尽きました。(´・ω・`)
eqnarray環境における等号の前後の幅を調整する。
[2018/08/24追記] 最初にこの記事を書いた時点(2017年11月現在)では、「eqnarray環境は古い」という意見があったのを読みつつ、試す機会と余裕がなかったために使用を見送っていたalign環境を使ってみることにしました。
ついつい昔のTeXのファイル等からeqnarray環境を含む数式をコピーしてしまったりしたときのためにメモしておきます。
eqnarray環境における数式の等号の前後の幅が広すぎるのではないかという指摘は太古の昔から行われていて、古くは奥村先生の「LaTeX美文書作成入門」の最初の方の版(最近の版(タイトルが「LaTeX2e美文書作成入門」になってますね。)についてはわかりません。すみません。)にもeqnarray環境をまるごと再定義する方法が書いてあったりします。
個々のeqnarray環境ごとに幅を定義すればよいのであれば、以下のようにarraycolsepを再定義するための構文を[preamble]タグではさんで数式環境中に挿入すると、等号の前後の幅を調整することができます。
[+preamble]
\setlength\arraycolsep{2pt}
[/preamble]
x_t &=& \sin \left(\displaystyle\frac{2\pi j f_0 t}{N}\right) \\
{} &=& \displaystyle\frac{1}{2j}\left(e^{\frac{2\pi j f_0 t}{N}}-e^{-\frac{2\pi j f_0 t}{N}}\right)
\end{eqnarray}
以下の画像で、黒い矢印で示したのがデフォルトの設定で、赤い矢印で示したのが上記の方法でarraycolsepを2ptに指定した例になります。かなり数式の等号の前後の幅が狭くなっていることがわかります。
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数式の等号の前後の幅を狭くするのは横書き二段組になっている論文等に数式を書く時だけでなく、スマホ対策としても有効だったりします。
[latex]及び[/latex]タグを使用せずに数式を2色以上で表示する。
最初にWP-QuickLaTeXの設定を行ったときに書いた記事では、[latex]タグを使って数式を2色以上の色を用いて表示する方法について書きましたが、WP-QuickLaTeXの作者のページを見直してみると、
[latex]タグはlegacyである。
と書かれていました。
そこで、[latex]及び[/latex]タグを使用せずに数式を2色以上で表示する方法を試してみることにしました。
数式に限らず、文章を色分けして表示するにはcolorパッケージが必要になりますが、これを以下のように[preamble]タグではさんで数式環境中に挿入します。
<blockquote> \[ [+preamble] \usepackage{color} [/preamble] \int^{\infty}_{-\infty} {\color{blue}e^{-x^2}} {\color{red}dx} = \color{green}{\sqrt{\pi}} \] </blockquote>
すると、数式を以下のように色分けして表示することができます。
\[
\int^{\infty}_{-\infty} {\color{blue}e^{-x^2}} {\color{red}dx} = \color{green}{\sqrt{\pi}}
\]
まとめ
本記事ではWP-QuickLaTeXで記事中に数式等を書くときに調べたことをメモしてみました。タイトルには「$n$選」と書きましたが、$n=3$でしたね。
LaTeXは数式がきれいに表示できる一方で、ちょっとでも表示のバランスが悪くなるとものすごい勢いで試行錯誤をすることになりやすいので、この記事で書いたようなtips系の情報はまとめておくと後で役に立つと思います。
他にもメモしておいた方がよさそうなものが出てきたら追加していきます。
この記事は以上です。