はじめに
2024年10月29日にFedora 40が登場しました。
そこで、
- 自宅の1台の物理サーバ、
- VirtualBox上のゲストOSとして稼働している3個の仮想サーバ
- さくらインターネットのVPSで稼働している2台のサーバ群
(以上ここまでのサーバ及びサーバ群を総称して「PC群」、PC群に属するサーバを「PC」と書くことにします。)のFedora 40をFedora 41にサクサクとアップグレードすることにしました。
アップグレードの手順としては参考文献[1]の手順におおむねしたがって実行します。
事前作業
Fedora 41へのアップグレードの前にFedora 40を最新の状態にアップデートすることが必要ですが、作業開始前にバックアップを取ります。
バックアップ重要です。
バックアップが取得できたら、root partition の空き容量を確認します。
ファイルシス サイズ 使用 残り 使用% マウント位置
/dev/mapper/fedora-root 469G 302G 167G 65% /
インストールされているパッケージの数にもよりますが、10GBくらいの空き容量があればアップグレードできるのではないかと思います(※個人の感想です)。
空き容量が確認できたら、Linuxのkernelのバージョンを確認します。
Linux yukemuri 6.8.8-300.fc40.x86_64 #1 SMP PREEMPT_DYNAMIC Sat Apr 27 17:53:31 UTC 2024 x86_64 GNU/Linux
アップグレード前のkernelのバージョンは6.8.8のようです。
Fedora 40の最新の状態への更新
アップデート
アップデートの事前準備ができたら以下のコマンドを実行し、Fedora 40の最新の状態にアップデートします。
(中略)
トランザクションの概要
================================================================================
インストール 57 パッケージ
アップグレード 1206 パッケージ
削除 5 パッケージ
ダウンロードサイズの合計: 3.7 G
これでよろしいですか? [y/N]:
(中略)
完了しました。
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アップデート時に発生した問題の修正
アップデートの実行中に仮想サーバのうちの1個でMongoDBのGPG鍵の有効期限切れにより、アップグレード用パッケージの検証に失敗しました。
そこで、以下のコマンドを実行して、MongoDB用の公開鍵を削除後、アップグレードを再度試行しました。
gpg-pubkey-90cfb1f5-5ced7aac MongoDB 4.4 Release Signing Key
$ sudo rpm -e gpg-pubkey-058f8b6b-5ad7aea6
公開鍵が削除できたら、アップグレード(sudo dnf --refresh upgrade)を再試行します。
新しい鍵を追加するかどうか訊かれるので、「y」を入力してEnterキーを押し、インストールを続行します。
再起動
アップデートで発生した問題の修正後、以下のコマンドを実行して再起動します。
いつもの後始末
WordPressがインストールされていて、かつnginxとともに使用されている場合には、このページに記載の方法でWordPressがアクセスする可能性のあるファイルのownerをnginxに変更します。
kernelのバージョンの確認
Fedora 40を最新の状態に更新後、以下のコマンドを実行します。
Linux yukemuri 6.11.6-200.fc40.x86_64 #1 SMP PREEMPT_DYNAMIC Fri Nov 1 16:09:34 UTC 2024 x86_64 GNU/Linux
Linux kernelのバージョンは6.11になりますね。
Fedora 41へのアップグレード
パッケージのダウンロード
Fedora 40を最新の状態にアップデートできたことが確認できたところで、以下のコマンドを実行します。
メタデータの期限切れの最終確認: 0:28:58 前の 2024年11月09日 00時23分28秒 に実施しました。
パッケージ dnf-plugins-core-4.9.0-1.fc40.noarch は既にインストールされています。
依存関係が解決しました。
行うべきことはありません。
完了しました!
次に、以下のコマンドを実行し、Fedora 41へのアップグレードに必要なソフトウェアパッケージのダウンロードを開始します。
Fedoraのバージョンによってはダウンロード後に実行されるパッケージ間の依存性チェックに失敗することがあります。
今回のアップデートでは依存性チェックでエラーは発生しなかったので、そのまま次の手順に進みます。
(※NVIDIAのドライバは使っていないため、inttfリポジトリはenableにしていません。)
(中略)
トランザクションの概要
================================================================================
インストール 290 パッケージ
アップグレード 4098 パッケージ
削除 6 パッケージ
ダウングレード 6 パッケージ
ダウンロードサイズの合計: 6.3 G
DNF はパッケージのダウンロード、gpgキーのインストール、トランザクションのチェックのみ行います。
これでよろしいですか? [y/N]:
(中略)
完了しました!
/var/lib/dnf/system-upgrade/system-upgrade-transaction.json に保存されているトランザクション。
ダウンロードが完了しました! ‘dnf system-upgrade reboot’ を使用して、アップグレードを開始します。
キャッシュしたメタデータやトランザクションを削除するには、’dnf system-upgrade clean’ を使用します』
ダウンロード済みのパッケージは、次の正常なトランザクションまでキャッシュに保存されました。
‘dnf clean packages’ を実行することでキャッシュパッケージを削除できます。
ダウンロード時に発生した問題の修正
上記コマンドの実行中にエラーが発生しました。
そこで、依存性が確認できなかったパッケージの削除を許可するオプション(--allowerasing)オプションを付加して、再度ダウンロードを試みます。
上記コマンドは正常に終了しました。
再起動とアップグレード
アップグレードに必要なパッケージのダウンロードに成功したら以下のコマンドを実行し、再起動します。
再起動後にアップグレードが実施されます。
毎度のことではありますが、アップグレード処理には時間がかかります。手元のPC群では最大で25分程度を要しました。
kernelのバージョンの確認
アップグレードが完了したら、ログインしてアップグレード後の kernel のバージョンを確認します。
Linux yukemuri 6.11.6-300.fc41.x86_64 #1 SMP PREEMPT_DYNAMIC Fri Nov 1 16:16:00 UTC 2024 x86_64 GNU/Linux
Fedora 41へのアップグレード後のkernelのバージョンは6.11.6になっていますね。
再び後始末コーナー
WordPressがインストールされていて、かつnginxとともに使用されている場合には、このページに記載の方法でWordPressがアクセスする可能性のあるファイルのownerをnginxに変更します。
アップグレード後の後始末
XZ Utils
XZ Utilsには悪意のあるコードが挿入されるという問題が発生した[2]ので、アップグレードによりインストールされたバージョンを確認します。
$ for xz_p in $(type -a xz | awk ‘{print $NF}’ | uniq); do strings “$xz_p” | grep “xz (XZ Utils)” || echo “No match found for $xz_p”; done
xz (XZ Utils) 5.6.2
XZ Utilsのバージョンが5.6.0, 5.6.1以外のバージョンであれば問題はありません。
nuc_led
nuc_ledモジュールはこちらに書いた手直しを行ったものをインストールしました。
この記事を最初に書いた時点(2024年5月)では特に問題はないようです。
Python3
Python3のバージョンは3.13.0に変更されました。
そこで、以下のコマンドを実行してWebサイトの運用等に必要なパッケージをインストールします。
$ pip install pytz
$ pip install google-api-python-client
Galleon
以下のコマンドを実行して、Galleonの最新版をインストールしました。
galleon 1.5.1 from Cryptonomic Inc (cryptonomic) refreshed
WordPress
WordPressはこの記事を最初に書いた時点ではトラブルは発見されていません。
データベースの更新も特に要求されませんでした。
壁紙
壁紙がインストールされないPCがあるので、以下のコマンドを実行してインストールしました。
動作確認
動作確認を実施し、動作に問題がなさそうであることが確認できました。
Fedora 41の壁紙は↓のような感じになりました。
ポップな壁紙ですね。
まとめ
本Webサイトではおよそ半年に一度の恒例のイベントとなりましたFedoraのアップグレードでした。
Fedora 41へのアップグレードは大きな問題が発生することなく完了しました。
とりあえずアップグレードには成功したようですので、しばらくこの状態で使ってみて様子を見ることにします。
この記事は以上です。