Fedora41から42へのアップグレード

By | 2025年5月10日

はじめに

2025年4月15日にFedora 40が登場しました。

そこで、少々遅くなってしまいましたが、

  • 自宅の1台の物理サーバ、
  • VirtualBox上のゲストOSとして稼働している3個の仮想サーバ
  • さくらインターネットのVPSで稼働している2台のサーバ群

(以上ここまでのサーバ及びサーバ群を総称して「PC群」、PC群に属するサーバを「PC」と書くことにします。)のFedora 41をFedora 42にサクサクとアップグレードすることにしました。

アップグレードの手順としては参考文献[1]に記載の手順におおむねしたがって実行します。

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事前作業

空き容量の確認

Fedora 42へのアップグレードの前にFedora 41を最新の状態にアップデートすることが必要ですが、作業開始前にバックアップを取ります。

バックアップ重要です。

バックアップが取得できたら、root partition の空き容量を確認します。

[panda@fedora ~]$ df -h /
ファイルシス サイズ 使用 残り 使用% マウント位置
/dev/mapper/fedora-root 469G 307G 162G 65% /

 

インストールされているパッケージの数にもよりますが、10GBくらいの空き容量があればアップグレードできるのではないかと思います(※個人の感想です)。

空き容量が確認できたら、Linuxのkernelのバージョンを確認します。

[panda@fedora ~]$ uname -a
Linux yukemuri 6.11.6-300.fc41.x86_64 #1 SMP PREEMPT_DYNAMIC Fri Nov 1 16:16:00 UTC 2024 x86_64 GNU/Linux

 

アップグレード前のkernelのバージョンは6.11.6のようです。

ジャーナルの削除

前節のroot partitionの空き容量は「自宅の1台の物理サーバ」の空き容量の確認結果を記載しています。


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上記とは別に本WebサイトをホスティングしているVPSのサーバのroot partitionの空き容量が残り10GBを切っていることがわかりました。また、/var/log/journalのストレージの使用量を確認したところ、約2.3GBになっていました。

そこで、今回は前節に記載の確認作業に加えて、ジャーナルの削除を行うこととしました。

root権限で以下のコマンドを実行することで、/var/log/journalに保存されていたジャーナルを削除して空き容量を大きくすることを目論みます。

[panda@fedora ~]$ sudo journalctl --vacuum-time=1day

 

12GBの空き容量を確保することに成功しました。

Fedora 41の最新の状態への更新

アップデート

アップデートの事前準備ができたら以下のコマンドを実行し、Fedora 41を最新の状態にアップデートします。

$ sudo dnf --refresh upgrade
(中略)
Transaction Summary:
Installing: 19 packages
Upgrading: 1137 packages
Replacing: 1147 packages
Removing: 5 packages
 
Total size of inbound packages is 4 GiB. Need to download 4 GiB.
After this operation, 272 MiB extra will be used (install 11 GiB, remove 11 GiB).
Is this ok [y/N]:
(中略)
Complete!

 


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アップデート用のパッケージのダウンロードが完了です。

Fedora 40の最新の状態への更新までは日本語であった表示が英語になりましたが、気にしないことにします。

アップデート時に発生した問題の修正

再起動

Fedora 41の最新版へのアップデートでは問題は発生しませんでした。

以下のコマンドを続けて実行して再起動します。

$ sudo reboot

 

後始末

いつものやつ

WordPressがインストールされていて、かつnginxとともに使用されている場合には、このページに記載の方法でWordPressがアクセスする可能性のあるファイルのownerをnginxに変更します。

データベースのアップグレード

ファイルのownerをnginxに変更した後に本Webサイトにアクセスしてみたところ、下記の画面が表示されました。


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そこで、「WordPressデータベース」ボタンをクリックします。すると…

画面が上記のように切り替わりますので、アップグレード作業を続行です。

kernelのバージョンの確認

Fedora 41を最新の状態に更新後、以下のコマンドを実行します。

$ uname -a
Linux yukemuri 6.14.4-200.fc41.x86_64 #1 SMP PREEMPT_DYNAMIC Fri Apr 25 15:45:16 UTC 2025 x86_64 GNU/Linux

 

Linux kernelのバージョンは6.14になりますね。

Fedora 42へのアップグレード

パッケージのダウンロード

Fedora 41を最新の状態にアップデートできたことが確認できたところで、Fedora 42へのアップグレードの作業に進みます。

まず最初に、以下のコマンドを実行します。

$ sudo dnf install dnf-plugin-system-upgrade
リポジトリの更新を読み込み中:
リポジトリを読み込みました。
Package “dnf-plugins-core-4.10.1-1.fc41.noarch” is already installed.
 
Nothing to do.

 

次に以下のコマンドを実行し、Fedora 42へのアップグレードに必要なソフトウェアパッケージのダウンロードを開始します。

Fedoraのバージョンによってはダウンロード後に実行されるパッケージ間の依存性チェックに失敗することがあります。

今回のアップデートでも依存性チェックでエラーが発生したPCがありました。

そこで、エラーが発生したPCについては下記のコマンドを実行して、パッケージごと削除しました。

$ sudo dnf remove compat-golang-github-chzyer-readline-devel-1.4-22.20180628git2972be2.fc41
$ sudo dnf remove 3Depict-0.0.22-22.fc40.x86_64
$ sudo dnf remove ocaml-bigarray-compat-1.1.0-18.fc41.x86_64

 

さらに、下記のコマンドを実行します。

(※NVIDIAのドライバは使っていないため、inttfリポジトリはenableにしていません。)

$ sudo dnf system-upgrade download --refresh --releasever=42 --allowerasing
(中略)
Transaction Summary:
Installing: 84 packages
Upgrading: 4279 packages
Replacing: 4314 packages
Removing: 7 packages
Downgrading: 12 packages
 
パッケージサイズ 6 GiB 、ダウンロードサイズ 6 GiB 。
完了後、807 MiB のサイズが利用されます(インストール 18 GiB、削除 18 GiB)。
Is this ok [y/N]:
(中略)
オフライン トランザクションを検証中
OpenPGP キー 0x105EF944 をインポート中:
UserID: “Fedora (42)
識別子: B0F4950458F69E1150C6C5EDC8AC4916105EF944
提供元: file:///etc/pki/rpm-gpg/RPM-GPG-KEY-fedora-42-x86_64
Is this ok [y/N]:
(中略)
オフラインで実行するためにトランザクションを保存しました。トランザクションを実行するには、`dnf5 offline reboot` を実行してください。トランザクションをキャンセルし、ダウンロードしたファイルを削除するには、`dnf5 offline clean` を実行してください。
完了しました!

 

再起動とアップグレード

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前節の最後のコマンドの実行結果のメッセージの指示に従い、下記のコマンドを実行します。

Fedora 41へのアップグレードまでとは別のコマンドになっていますね。

$ sudo dnf5 offline reboot
システムはリリース バージョンのアップグレードのため再起動します 42.
Is this ok [y/N]:

 

再起動後にアップグレードが実施されます。

毎度のことではありますが、アップグレード処理には時間がかかります。手元のPC群では最大で25分程度を要しました。

kernelのバージョンの確認

アップグレードが完了したら、ログインしてアップグレード後の kernel のバージョンを確認します。

$ uname -a
Linux yukemuri 6.14.4-300.fc42.x86_64 #1 SMP PREEMPT_DYNAMIC Fri Apr 25 15:43:38 UTC 2025 x86_64 GNU/Linux

 

Fedora 42へのアップグレード後のkernelのバージョンは6.14.4になっていますね。

再び後始末コーナー

WordPressがインストールされていて、かつnginxとともに使用されている場合には、このページに記載の方法でWordPressがアクセスする可能性のあるファイルのownerをnginxに変更します。

アップグレード後の後始末

nuc_led

nuc_ledモジュールはこちらに書いた手直しを行ったものをインストールしました。

この記事を最初に書いた時点(2024年5月)では特に問題はないようです。

Python3

Python3のバージョンは3.13.3であったため、パッケージのインストールは実施しませんでした。

壁紙

壁紙がインストールされないPCがあるので、以下のコマンドを実行してインストールしました。

$ sudo dnf install f42-backgrounds

 

動作確認

動作確認を実施し、動作に問題がなさそうであることが確認できました。

Fedora 42の壁紙は↓のような感じになりました。

イラスト風の壁紙になりました。

まとめ

本Webサイトではおよそ半年に一度の恒例のイベントとなりましたFedoraのアップグレードでした。

Fedora 42へのアップグレードは大きな問題が発生することなく完了しました。

とりあえずアップグレードには成功したようですので、しばらくこの状態で使ってみて様子を見ることにします。
この記事は以上です。

References / 参考文献

  1. Upgrading Fedora Using DNF System Plugin