はじめに
2022年11月15日にFedora 37が登場しました。
そこで、
- 自宅の1台の物理サーバ、
- VirtualBox上のゲストOSとして稼働している3個の仮想サーバ(Fedora 36へのアップグレードの時点では仮想サーバは4個でしたが、1個削除しました。)、及び
- さくらインターネットのVPSで稼働している2台のサーバ群
(以上ここまでのサーバ及びサーバ群を総称して「PC群」と書きます。)のFedora 36をFedora 37にサクサクとアップグレードすることにしました。
なお、アップグレードの手順としては参考文献[1]の手順におおむねしたがって実行します。
事前作業
作業開始前にバックアップを取ります。
バックアップ大事です。
バックアップが取得できたら、root partition の空き容量を確認します。
ファイルシス サイズ 使用 残り 使用% マウント位置
/dev/mapper/fedora-root 469G 301G 168G 65% /
root partitionの残り容量が10GBを切るようであれば、何らかの手段を用いて空き容量を増やした方が良いでしょう。
最後にLinuxのkernelのバージョンを確認します。
Linux fedora 5.18.18-200.fc36.x86_64 #1 SMP PREEMPT_DYNAMIC Wed Aug 17 16:02:04 UTC 2022 x86_64 x86_64 x86_64 GNU/Linux
Linux kernelのバージョンは5.18.18のようです。
Fedora36の最新の状態への更新
アップデート
準備ができたら以下のコマンドを実行し、Fedora36の最新の状態にアップデートします。
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アップデートの結果は以下の通りです。
(中略)
トランザクションの概要
================================================================================
インストール 14 パッケージ
アップグレード 511 パッケージ
削除 4 パッケージ
ダウンロードサイズの合計: 1.4 G
これでよろしいですか? [y/N]:
(中略)
完了しました!
再起動
この時点では問題は発生しなかったので、以下のコマンドを実行して再起動します。
ちょっとした後始末
WordPressがインストールされていて、nginxとともに使用されている場合には、このページに記載の方法でWordPressがアクセスする可能性のあるファイルのownerをnginxに変更します。
Kernelのバージョンの確認
Fedora 36を最新の状態に更新後、以下のコマンドを実行します。
Linux fedora 6.0.9-200.fc36.x86_64 #1 SMP PREEMPT_DYNAMIC Wed Nov 16 17:50:45 UTC 2022 x86_64 x86_64 x86_64 GNU/Linux
Linux kernelのバージョンがついに6.0になりました。
Fedora 37へのアップグレード
パッケージのダウンロード
Fedora 36を最新の状態にアップデートできたら、以下のコマンドを実行します。
メタデータの期限切れの最終確認: 0:38:55 時間前の 2022年11月26日 23時11分26秒 に実施しました。
パッケージ python3-dnf-plugin-system-upgrade-4.0.17-1.fc36.noarch は既にインストールされています。
依存関係が解決しました。
行うべきことはありません。
完了しました!
次に、以下のコマンドを実行し、Fedora 37へのアップグレードに必要なソフトウェアパッケージのダウンロードを開始します。
パッケージのダウンロードに失敗する原因の排除
インストールされているパッケージの状況は各PCごとに異なるため、PCによってはパッケージのダウンロードに失敗することがあります。
そこで、以下のパッケージを削除します。
- lucene-analysis-8.8.2
- elementary-wallpapers-gnome-5.4
- ocaml-dune-devel-2.9.3
具体的には、以下のコマンドを実行して削除します、
$ sudo dnf remove elementary-wallpapers-gnome
$ sudo dnf remove ocaml-dune-devel
パッケージを削除したら、前節のコマンドを再度実行します。
再起動とアップグレード
パッケージのダウンロードに成功したら、以下のコマンドを実行し、PCを再起動します。
再起動時にアップグレードが実行されます(時間がかかる場合があります)。
kernelのバージョンの確認
アップグレードが完了したら、ログインして更新後の kernel のバージョンを確認します。
Linux fedora 6.0.9-300.fc37.x86_64 #1 SMP PREEMPT_DYNAMIC Wed Nov 16 17:36:22 UTC 2022 x86_64 x86_64 x86_64 GNU/Linux
Fedora 37用のkernelがインストールされていることが確認できます。
再び後始末
WordPressがインストールされていて、nginxとともに使用されている場合には、このページに記載の方法でWordPressがアクセスする可能性のあるファイルのownerをnginxに変更します。
アップグレード後の後始末
WordPress
WordPressはトラブルはありませんでした…
と言いたかったところですが、テキストエディタを使っていて、かつQTagでカスタムボタンをエディタに追加している場合には追加処理の際の優先度の調整が必要なようです。
具体的にはadd_action関数を実行してカスタムボタンをエディタに追加する際に、第3引数(優先度)にデフォルト値(10)よりも大きい値を設定することにより、優先度を下げる必要があるようです[2]。
本Webサイトでは以下のように変更しました。
+add_action(‘admin_print_footer_scripts’,’add_quicktags_to_text_editor’,15);
nuc_led
nuc_ledモジュールはこちらに書いた手直しを行ったものをインストールしました。
この記事を最初に書いた時点(2022年11月)では特に問題はないようです。
Python3
Python3のバージョンが3.11.0になったので、以下のコマンドを実行してパッケージをインストールします。
$ pip install pytz
$ pip install google-api-python-client
なお、第三倉庫(仮)でPython3を使ってグラフを描画しているので、以下のパッケージも忘れずにインストールします。
$ sudo pip install matplotlib
$ sudo pip install pandas
$ sudo pip install seaborn
Galleon及びsnap
snapdのバージョンは変わらなかったため、Galleonのみ更新しました。
Requests-oauthlib
google-api-python-clientが動かなくなっていたので、以下のコマンドを実行して、Requests-oauthlibをインストールしました。
動作確認
まとめ
本Webサイトではおよそ半年に一度の恒例のイベントとなりましたFedoraのアップグレードですが、大きな問題が発生することなく完了した模様です。
Fedora 36へのアップグレードの時のような大規模な復旧作業は幸いにも発生しませんでしたが、WordPressのエディタのカスタムボタンはありがたく使わさせていただいていますので、急にいなくなってしまうと地味に焦りますね。
とりあえずアップグレードには成功したようですので、しばらくこの状態で使ってみて様子を見ることにします。
この記事は以上です。