Fedora 37から38へのアップグレード

By | 2023年4月29日 , Last update: 2023年11月19日

はじめに

2023年4月18日にFedora 38が登場しました。

そこで、

  • 自宅の1台の物理サーバ(以下、「物理サーバ」と書きます。)
  • VirtualBox上のゲストOSとして稼働している3個の仮想サーバ
  • さくらインターネットのVPSで稼働している2台のサーバ群

(以上ここまでのサーバ及びサーバ群を総称して「PC群」と書きます。)のFedora 37をFedora 38にサクサクとアップグレードすることにしました。

なお、PC群のアップグレードの手順としては参考文献[1]の手順におおむねしたがって実行します。

[2023/11/19 補足] Fedora 38から39へのアップグレードの記事をこちらに書きましたので、ご覧いただけると幸いです。

スポンサーリンク

事前作業

作業開始前にバックアップを取ります。

バックアップ大事です。

バックアップが取得できたら、root partition の空き容量を確認します。

物理サーバのroot partitionの空き容量は以下の通りです。

\$ df -h /
ファイルシス サイズ 使用 残り 使用% マウント位置
/dev/mapper/fedora-root 469G 300G 169G 64% /

 

root partitionの残り容量が10GBを切るようであれば、何らかの手段を用いて空き容量を増やした方が良いでしょう。

最後にLinuxのkernelのバージョンを確認します。

[panda@fedora ~]$ uname -a
Linux fedora 6.0.9-300.fc37.x86_64 #1 SMP PREEMPT_DYNAMIC Wed Nov 16 17:36:22 UTC 2022 x86_64 x86_64 x86_64 GNU/Linux

 


スポンサーリンク

Linux kernelのバージョンは6.0.9のようです。

Fedora 37の最新の状態への更新

アップデート

準備ができたら以下のコマンドを実行し、Fedora 37の最新の状態に更新します。

$ sudo dnf --refresh upgrade

 

アップデートの結果は以下の通りです。

\$ sudo dnf --refresh upgrade
(中略)
トランザクションの概要
================================================================================
インストール 40 パッケージ
アップグレード 1381 パッケージ
削除 5 パッケージ

ダウンロードサイズの合計: 2.9 G
これでよろしいですか? [y/N]:
(中略)
完了しました!

 

再起動

アップデートでは問題は発生しなかったので、以下のコマンドを実行して再起動します。

$ sudo reboot

スポンサーリンク

 

いつもの後始末

WordPressがインストールされていて、nginxとともに使用されている場合には、このページに記載の方法でWordPressがアクセスする可能性のあるファイルのownerをnginxに変更します。

Kernelのバージョンの確認

Fedora 37を最新の状態に更新後、以下のコマンドを実行します。

$ uname -a
Linux yukemuri 6.2.12-200.fc37.x86_64 #1 SMP PREEMPT_DYNAMIC Thu Apr 20 23:38:29 UTC 2023 x86_64 x86_64 x86_64 GNU/Linux

 
バージョンが6.2になりますね。

Fedora 38へのアップグレード

パッケージのダウンロード

Fedora 37を最新の状態にアップデートできたことが確認できたところで、以下のコマンドを実行します。

$ sudo dnf install dnf-plugin-system-upgrade --best
[sudo] panda のパスワード:
Fedora 37 – x86_64 – Updates 13 kB/s | 6.0 kB 00:00
メタデータの期限切れの最終確認: 0:00:01 時間前の 2023年04月29日 14時52分06秒 に実施しました。
パッケージ dnf-plugins-core-4.4.0-1.fc37.noarch は既にインストールされています。
依存関係が解決しました。
行うべきことはありません。
完了しました!

 

次に、以下のコマンドを実行し、Fedora 38へのアップグレードに必要なソフトウェアパッケージのダウンロードを開始します。(NVIDIAのドライバは使っていないため、inttfリポジトリはenableにしていません。)

\$ sudo dnf system-upgrade download --refresh --releasever=38

スポンサーリンク

 

再起動とアップグレード

パッケージのダウンロードに成功したので、以下のコマンドを実行し、PCを再起動します。

$ sudo dnf system-upgrade reboot

 

再起動時にアップグレードが実行されます(時間がかかる場合があります)。

kernelのバージョンの確認

アップグレードが完了したら、ログインしてアップグレード後の kernel のバージョンを確認します。

\$ uname -a
Linux yukemuri 6.2.13-300.fc38.x86_64 #1 SMP PREEMPT_DYNAMIC Thu Apr 27 01:33:30 UTC 2023 x86_64 GNU/Linux

 

Fedora 38用のkernelがインストールされていることが確認できます。

再び後始末

スポンサーリンク

WordPressがインストールされていて、nginxとともに使用されている場合には、このページに記載の方法でWordPressがアクセスする可能性のあるファイルのownerをnginxに変更します。

アップグレード後の後始末

nuc_led

nuc_ledモジュールはこちらに書いた手直しを行ったものをインストールしました。

この記事を最初に書いた時点(2023年4月)では特に問題はないようです。

Python3

以下のコマンドを実行してPython3のパッケージをインストールします。

$ pip install httplib2
$ pip install pytz
$ pip install google-api-python-client

 

なお、第三倉庫(仮)Python3を使ってグラフを描画しているので、以下のパッケージも忘れずにインストールします。

$ sudo pip install httplib2
$ sudo pip install matplotlib
$ sudo pip install pandas
$ sudo pip install seaborn

 

Galleon及びsnap

snapdのバージョンは変わらなかったため、Galleonのみ更新しました。

# snap refresh galleon

 

Requests-oauthlib

google-api-python-clientが動かなくなっていたので、以下のコマンドを実行して、Requests-oauthlibをインストールしました。

$ pip install requests-oauthlib

 

MongoDB

MongoDBが起動できなくなってしまったため、/etc/mongod.confからpidFilePathの設定をコメントアウトしました(参考文献[2]参照)。

壁紙

壁紙が使えなくなっていたので、以下のコマンドを実行してインストールしました。

$ sudo dnf install f38-backgrounds

 

動作確認

Fedora 38の壁紙は↓のような感じになりました。

まとめ

本Webサイトではおよそ半年に一度の恒例のイベントとなりましたFedoraのアップグレードでした。

大きな問題が発生することなく完了しましたが、MongoDBのようなデータベース系が動かないと焦りますね。

とりあえずアップグレードには成功したようですので、しばらくこの状態で使ってみて様子を見ることにします。

この記事は以上です。

References / 参考文献

  1. Upgrade to Fedora 38 from Fedora 37 using DNF
  2. “/var/run/mongodb/”mongod.pid” deleted on each Mongod shutdown