はじめに
Intel NUC(以下単に「NUC」と書きます。)を購入していろいろといじって消耗しているうちに春の大型連休も終わってしまい(本業の方がここ数年で一番の一区切り感(自分の中比)が出たと思ったので、5月9日まで休みにしてしまいました。)、2年前の引っ越し以来あまり進んでいなかった自宅の片付けもこの連休で必要最低限のところはなんとかできたかなぁ…と思っているところです。
実のところ、ルータやそれに接続している無線LANのアンテナ及び小型PC(AOpen MP67-D、以下単に「小型PC」と書きます。)もリビングの部屋の隅の床または床に直置きした小型の簡易的な棚においているという「仮置き」状態になっています。この状態をこの連休の間に完全に解消することができないのはやむを得ないにしても、解消するだけの道筋はつけたいと思ったことと、ちょうど小型PC(AOpen MP67-D)の交換のタイミングが来たので連休の前にNUCをAmazonでポチりましたよと(嫁様説得済)。
そんなわけで、「NUCの設定も自宅の片付けの一部!!」というこじづけなわけですが、NUC関連以外の他の片付け作業の邪魔にならない程度には設定作業が進み、自宅のリビングでケーブル等をできるだけ目立たせないような使い方ができるめどがついてきましたので、この記事ではここまでに設定してきたことをまとめて書いていきます。
設定その1: 超短焦点プロジェクターでもコンソールの画面の文字が読めるように解像度を変更する。
前の記事でマウスなしで、超短焦点プロジェクターを使ってFedora 27をインストールした件について書きましたが、インストール後に再起動すると、以下のようなコンソール画面になってしまい、何が書いてあるんだかよくわかりません。
そこでgrub2の設定をちょっといじってみることにします。
まず、起動時の設定をいじります。
grub2をブートローダーとして使用していると、電源をONにした直後にOS選択画面が表示されますので、そこで”e”キーを押します。すると、下図のようなブートパラメータの編集画面が表示されます。
いじる対象となる設定はパラメータの下の方になりますので、キーボードの矢印キーを用いて編集画面を下の方にスクロールしますと対象の設定が現れます(下図の(a))ので…
この行の末尾に以下の設定を追加します。
下図の赤線の部分が追加した部分です。
追加したら、Ctrl+Xキーを押して起動させます。すると…
のように、解像度が変更されて、超短焦点プロジェクター(↓)でも読める画面が表示されます。
超短焦点プロジェクターはこんなものもあります↓
次に、設定ファイルを修正します。
ここまでの設定はgrub2の設定ファイルに反映されていないので、再起動するともとの設定に戻ってしまいます。そこで、vi等のエディタを用いて/boot/grub2/grub.cfgにも以下の設定を追加し、設定ファイルを保存します。
上記の設定変更を行うと、NUCを再起動しても起動時に設定を行うことなく800×600の解像度のコンソール画面を表示することができるようになります。
設定その2: NetworkManagerを使って、有線LANで接続するための設定を行う。
前置き。
今どきのPC…に限らず電子機器はネットにつながってナンボな部分があります。PCを買ってきたらできるだけ早くネットへ接続させたいし、そのための手間はできるだけかけたくないのは人情であります。また、設定が必要な場合であってもその内容は手堅いもの(前のPCの設定を流用… 等。)になりがちです。Fedoraをインストールして現在使っている小型PCもNetworkManagerではなく、networkサービスを使用して接続を行っていました。
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しかしながら、今回購入したNUCでは、有線LAN及び無線LANを両方とも使用する予定があることと、無線LANの設定をLinuxで行うのは久々なので、Google先生に聞きながら調べてみたところ、無線LANの設定はNetworkManagerを使った方が簡単そうであることがわかってきました。
というわけで、それに合わせる形で有線LANもNetworkManagerを使って設定することにします。なお、この時点ではGUIが使用できないため、nmcliコマンドを使用して設定を行います。
作業メモ。
実際に作業を始めてみると、もともと設定されていたconnectionの設定(名前がeno1となっていました。)とは別のconnectionでかつ名前が同じものを知らず知らずのうち定義してしまったがために、再起動を繰り返しても有線LANのインタフェースの設定で変更したものの内容が反映される気配が一向にありませんでした。
そこで、勢い余って、
を実行してみたところ、connectionの設定が2つとも消えてしまいました。(´・ω・`)
ここではこの状態から設定を行う方法について記述していきます。
以下の手順で設定してみました。
- root権限で以下のコマンドを実行するとnmcli(対話型インタフェース)が起動しますので、必要な設定を入力してconnectionの設定を追加します。なお、接続タイプには”802-3-ethernet”を指定します。
# nmcli connection edit con-name eno1スポンサーリンク
- 以下のコマンドを実行し、手順1で作成したconnectionについての詳細な設定及びシステムの起動時に自動的に起動するように設定します。
# nmcli connection modify eno1 ipv4.method manual ipv4.addresses 192.168.11.20/24 connection.autoconnect yes ipv4.gateway 192.168.11.1
- 以下のコマンドを実行し、手順2の設定内容を反映させます。
# nmcli device disconnect eno1
# nmcli device connect eno1 - NUCをシャットダウンします。
- 有線LANのコネクタと適当なハブの間をLANケーブルで接続します(接続しないと、有線LANのインタフェースのstatusがavailableにならないようです)。
- NUCの電源ボタンを押してシステムを起動し、有線LAN経由で接続ができるかどうか確認します。
設定その3: NetworkManagerを使って、無線LANで接続するための設定を行う。
ここまで設定ができたら、ssh経由でNUCにログインできるようになりますので、超短焦点プロジェクター経由での操作にかわって、有線LAN経由で設定を行います。
無線LANで接続するための設定は以下の手順で行いました。NetworkManagerを使用しています。なお、SSID及びパスワードにつきましては実際に使用している文字列の代わりに”[SSID名]”及び”[パスワード]”という文字列に置き換えています。
- root権限で以下のコマンドを実行し、無線LANのconnectionの設定を追加します。なお、”wlp58s0″は無線LANのインタフェース名です。
# nmcli connection add con-name wlp58s0 ifname wlp58s0 type wifi ssid [SSID名]
- 手順1に続けて以下のコマンドを実行し、無線の暗号化のセキュリティの設定方法とパスワードを設定します。
# nmcli connection modify wlp58s0 wifi-sec.key-mgmt wpa-psk
# nmcli connection modify wlp58s0 wifi-sec.psk [パスワード] - 手順2に続けて以下のコマンドを実行し、connectionを有効化します。
# nmcli connection up wlp58s0
- NUCを再起動し、設定が反映され、かつpingコマンド等でネットワークに接続できることを確認します。
まとめ&参考URL
動いてよかったです。
毎度のことながら、「$n$選」と言いながら、今回も$n=3$の場合ということになりました。
いろいろとググってみた感じでは、NUC+Linuxの組み合わせだと、無線LAN周りは(ドライバの追加インストールなども含め)かなり苦戦することを予想していたので、そのあたりは助かりました。
ここまでの設定で、無線LANでの接続ができるようになりました。したがって、電源ケーブル以外のケーブルには拘束されず、かつ嫁様が納得しうるおしゃれな機器配置を考えることができる段階に来たのではないかなぁと思います。
設定などの微調整が再度必要になった際には、別の記事で書きます。
この記事は以上です。
参考URL
この記事を書くにあたり、以下のサイトの記事を参考にさせていただきました。感謝申し上げます。