はじめに
前の記事でXyMTeXとTex2imgを使って安息香酸メチルの構造式のSVGファイルを作ってみました。XyMTeXはかなり昔から使われていますが、あまりWordpressでの使用例がないようなので、同じ有機化合物のXyMTeXの構造式とChemFigの構造式を表示させてみることにします。そこでこの記事でも安息香酸メチルさんに登場していただくことにします。
おことわり[2018/9/17追記]
本Webサイトのサーバのパフォーマンスを改善するため、本Webサイトにおける数式の表示用のプラグインをWP-QuickLaTeXからMathJaxに変更しています。しかしながら、MathJaxの化学式のサポートが限定的なものである(2018年9月現在)ために、この記事の化学式をWP-QuickLaTeXプラグインを使用していた当時に生成した画像ファイルに差し替えています。
この点につきましては、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
XyMTeXの構造式とChemFigの構造式を同一のWordpressの記事内で表示させる。
この手の比較記事をWordpress等で書き始めると、この手の一見難易度が高そうな課題に直面することが多い(LaTeXは自分の経験上、こういうときにマクロの定義が衝突しまくることが多いかなぁ、と思います。)ですが、以下のように定義するとXyMTeXのパッケージとChemFigのパッケージを読み込むことができます。なお、XyMTeXについては、xymtexpdfパッケージが使えないことがあるようなので、かわりにxymtexパッケージを使用しています。
どちらも[latex]及び[/latex]タグを使って個別に囲んでいますが、同じのWordpressの記事内で読み込んでも使用できるようです。
上記のソースコードは以下の通りです。
- XyMTeX
[latex]
[+preamble]
\usepackage{xymtex}
[/preamble]
$\XyMTeX$\\
$\benzeneh{4==%
\rtrigonal{0==C;1==(yl);3D==O;2==O\,—–\,CH$_{3}$}}$
[/latex] - ChemFig
[latex]
[+preamble]
\usepackage{chemfig}
[/preamble]
ChemFig\\
\chemfig{[:30]*6(=-(-C(-[:-30]O-CH_3)=[:30]O)=-=-)}
[/latex]
比較してみた。
ChemFigで構造式を初めて書いてみたのですが、Wordpress上ではxymtempdfパッケージがうまく使えないことがあるXyMTeXと比較すると、きれいに書けていると思います。その反面、上記のような書き方をすることになるので、どこかしら図をコピーしている感というか、アスキーアートを描いているような感じというか、もうちょっと格調高めに言うとWikiの記法と親和性がありそうな感じがします。
Wordpressを含むWebで化学式や構造式を書くときにはChemFigを、化学式や構造式を含めた文章全体をPDFにしたいというような用途にはXyMTeXという棲み分けになっていくのかもしれませんね。
本記事は以上です。