はじめに
本Webサイトのポンチ絵的な図はInkscape 0.92.3(またはそれ以降のバージョン、2023年9月現在では1.3)で書いています。
ただ、本Webサイトを構築するにあたって本格的にInkscapeを使い始めたので、必要な機能がどこにあるかわからず、メニューバーから探し回ることが割と頻繁にあります。
そんな中、「関数のプロット」というちょっと便利そうなメニューを見つけたので、この記事で紹介しようと思います。
基本的なプロットの方法
というわけで、具体的な例を使って紹介したほうがよいと思うので、本Webサイトでは毎度おなじみの標準正規分布関数
を関数のプロット機能を使って描いてみます。
基本的なプロットの方法は以下の通りです。
- Inkscapeを起動します。
- 矩形ツール(下図の赤矢印)を使って長方形を描きます。
このときに、フィルに色を設定すると 軸とグラフの間の部分が指定された色で描画されます。また、プロットされる関数自体はストロークで指定した色で描画されます。 - メニューバーから「エクステンション」→「レンダリング」→「関数のプロット」を選択します(下図の赤矢印)。
- 「関数のプロット」ウィンドウ(下図の赤矢印)が現れますので、描画時の設定を行います。
- 「関数」に下図の矢印(a)のようにプロットさせたい関数を記述します。また、「一次導関数を数値計算で求める」(下図の矢印(b))のチェックボックスにチェックを入れます。
- 「関数のプロット」ウィンドウ下部の「適用」ボタン(上図の矢印(c))をクリックします。
- 下図のようなグラフが描画できます(「範囲とサンプリング」タブの設定で
の範囲を に調整しています)。
もうちょい触ってみた。
範囲とサンプリングの選択。
「関数のプロット」ウィンドウには「範囲とサンプリング」、「利用法」及び「関数」の3個のタブがあり、メニューで「関数のプロット」を選択した直後に表示されるウィンドウでは「利用法」のタブが選択された状態になっています。
「範囲とサンプリング」タブを選択すると
設定はできるのですが、0.1おきにしか設定ができないようで、
のような関数(切断標準正規分布関数)をプロットしても、ただの
また、「極座標を使用する」にチェックが入っているとおそらく大多数のユーザが意図するであろう表示にはならないので、意図して極座標を使用する場合を除き、チェックを外しておきます。
多項式の入力
多項式で次数が高いものをプロットする場合に
x*x*x*…
と入力するのは面倒ですし、ミスの原因にもなりかねません。
そんなときには、「**」のようにアスタリスクを2個並べて、「x**4」(
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これで、「Legendre多項式の」などと偉い人から頼まれた場合でも、以下の赤矢印のように入力すると
まとめ
「関数のプロットができる」というのはラスタ形式では真似のできないところで、ベクタ形式の強みであると思います。
ただ、描画できる関数が
また、inkscapeには回転体を作る機能はないようですので、そんなときにはBlenderを使うと良いみたいです。
もうちょっと早く気が付けばよかった機能ですね。(´・ω・`)
この記事で書いた図をもとにして別の記事を書くわけですが、それはまた後日公開することになると思います。
panda先生の次回作にご期待ください!! (`・ω・´)
この記事は以上です。