はじめに
かなり前の記事で、ちょいと野暮用で正規分布に従う2個の確率変数の和と差が従う確率密度関数を計算してみました。
この記事はその続編のようなものです。
調子に乗ってあまり使わないかもしれない標準正規分布関数に従う2個の確率変数の積を計算しようと試みたわけですが、本Webサイトの管理人たるpandaの計算の能力が未熟なせいもあってか、2018年の年末にものすごい勢いでハマってしまったので、メモっておくことにしました。
問題の定義
まず、解くべき問題を以下のように定義します。
標準正規分布
に従う2個の確率密度変数 がある。このとき、 によって定義される確率変数が従う確率密度関数を求めよ。ただし、 とする。
なお、なぜ
「場合分けが面倒だからです。」
と潔く(本Webサイト比)言い切っておくことにします。
[2019/08/17 追記]
サクサクと計算。
の符号による場合分け。
問題を定義したところで、サクサクと計算します。
まず、積分の領域を定めます。
積分を実行する
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この記事の最初の方で
[2019/01/12追記]不等号の向きが間違っていたので、修正しました。
(
ここで、ちょっと気になるのは
と計算できて積分可能ですので、(
と計算できます。
次に、(
(
と計算できます。上図の(b)の向きに最初に積分するイメージになります。これを(
まず、
次に、
となりますので、さらに
となります。
(
したがって、
(
さらに変数変換。
ここからは結論がある程度見えていないと計算をするモチベーションが起こりにくいところではありますが、(
(
最後の仕上げに、
となります。
ここで、(
となります。
(
おまけ
この記事を最初に書いた時点(2019年1月)では実際に計算してみたわけではありませんが、
そこで、(
まとめ
2019年は新年最初の記事からいきなり最初から数式満載の記事でお送りしてみました。
[2019/01/12,2019/02/06追記]ちょこちょこと間違っているところがあったので、修正しました。
今後気を付けます。
Bessel関数は日常生活においてはそう簡単に登場することはないと思いますが、何かの参考にしていただけると幸いです。
この記事は以上です。
References / 参考文献
- Bessel function (英語版Wikipedia)